懐古

先日、偶然僕が以前に勤めていた会社のことを知っている人に出会いました。思えば独立して10数年…今はもうその会社はありません。(関連会社は残ってますが…。)

その会社では色々なことを勉強させてもらいました。プログラミング技術が急激に上達したのもこの会社のおかげですし、新しい言語を覚えたのもこの会社でした。ホームページに携わったのもこの会社にいた頃からですし、サラリーマンの不条理さを覚えたのもこの会社でした。

当時はそれこそ家に持ち帰ってまでプログラミングをしていましたので、今で言うブラック企業のさきがけでしたけど…でもそれを責めるつもりはまったくないというか、そのおかげで自分の技術が爆発的に伸びたんで逆にお礼を言いたいところです。だいたいが「若い時の苦労は買ってでもしろ」というくらいですからね。

じゃ、なんで独立したかと言いますと…長く勤めるうちに会社の汚い部分とかも見え始めるようになっちゃったんですね。あまりにもお客さんの方を向いていない姿勢とか、とにかく金を儲ければいいという考え方とか…まぁどこもそんなもんかもしれないですけど。

当時は単純に「辞めて違う会社に行こう」と思ってたんですけど、僕自身30歳の節目で変に人生経験も積んで妙な自信も芽生えちゃってたんですよね。で、これからの人生を真剣に考えた結果、独立ということも視野に入れたんですが…やはり不安が大きくて一歩を踏み出せないわけです。当時はもう結婚もして、息子もいましたから。

そんな時、背中を押したのが妻のこんな言葉でした。「やりたいことやればいいじゃん。もし食べていけなければ私が食べさせていってあげるよ」と…正直、涙が出ましたね。それと同時に決意が固まりました。この大切な家族を護るために、本気でやり遂げようと。

で、そんなこんなで起業して来月には13年目を迎えます。まだまだ道半ばという感じですが、このタイミングで当時のことを顧みる機会を得たのは偶然じゃないかなと…。当時誓った想いを忘れず、そして決して驕らず、コレカラの道も前を向いて歩いて行こうと改めて思いました。

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