オムニチャネル

よくO2O(Online to Offline、もしくはOffline to Online)と比較される手法の一つに、「オムニチャネル」というものがあります。比較されるというか、似た手法として混同されがちと言ってもいいでしょう。

O2Oってのは、端的に言えばオンラインからオフラインへの誘導(またはその逆)です。ひとつのラインを作って、上手にお客様を誘導するわけですね。例えば実店舗があるお店の場合、最近はやはり「お店で見てネットで買う(ショールーミング)」という消費者行動に悩まされていますから、O2Oを上手にやれば実店舗の利益を上げることにも繋がります。

また、最近ではあえて「ネットに誘導」する手法を用いることもあります。これもひとつのO2Oと言えます(O2O2Oと呼ばれたりもします)が、その際に誘導する…というか最終的に選択してもらうのが必ず「自社サイト」になっていなくてはいけません。じゃないと、あえてネットに誘導する必然性も薄れてきますので…。

ただ、O2Oでは誘導が必要になるため、どうしてもイベント的なものと連動されがちです。でもこれを続けるとお客様は慣れてしまい、イベント以外での購入率が落ちるんですね。そのため、お客様のファン化やリピーター化に弱いともいえます。即効性はありますけどね。

それに対して、「オムニチャネル」ってのはお客様の「囲い込み」に強いんですね。オムニチャネルは簡単に言えば、お客様がどこで買うかっていうのを意識しない戦略のことですが、これは「どこで買ってもらっても自社の利益は確保できる」という考え方から来ています。お客様に「またここで買いたい」と思ってもらうことを優先することによって、リピーター化を目指していきます。

そういう意味では、この「オムニチャネル」はSNSとも親和性が高いんですね。SNSでもきちんとコミュニケーションを取ることによってリピーターからファンへと進化させたり、ファン化したお客様がSNSで情報発信をしてくれたり…「オムニチャネル」に即効性はありませんが、長期的に見ると得な戦略なのかもしれません。

O2Oもオムニチャネルもそれぞれで優れた点を持っています。自社の商品やサービス、規模や戦略、目指したいものなどによって使い分けていく、もしくは融合させていくといいと思います。

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