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2005年06月16日

●起業と現実の狭間で

僕が起業、独立しようと思ったきっかけを少し…。

孔子の論語に「30にして立つ」という一節があります。もともと独立志向は強かったのですが、安定したサラリーマン稼業にどっぷりつかってしまうとなかなか起業への一歩は踏み出せません。結婚していたら尚更です。

僕も30歳を過ぎ、子供も出来て、今後の人生のあり方について真剣に考えるようになってはいたのですが、何がきっかけで踏ん切りがついたのか…。


ひとつは俗な問題です…会社が傾きました。社会保険も払えない。今月の給料も出るか出ないかわからない。仕入先への入金も出来なくて督促の電話ばかりで業務が回らない…。まぁ正直これが一番と言えば一番ですね。この時点では独立ではなくて転職を考えていました。


当然退職金も出なかったので、会社に頼み込んで解雇扱いにしてもらいました。(解雇扱いにしてもらうと失業保険の給付日数も給付開始日も違うんです!)

失業保険が半年出る事になったので、そこで自分の人生を、今後の人生のありかたを真剣に見つめ直しました。

その中でフツフツとわきあがってきた思いは、「自分自身の力を試したい」という気持ちと、まだ30歳なので失敗してもなんとかなるという思いでした。つまりやるなら今しかない、今ならまだ失敗してもやり直しがきくという結論ですね。

そして、一番僕の背中を後押ししたのが、「子供が小さいうちになるべく触れ合う時間を作りたい…」という気持ちです。実は、こう思うようになったのにはある言葉がきっかけとなっています。

「子供が小さい時は2度と帰ってこない。子供が父親になつくのは5歳までで、それまでならキスしたって、抱っこしたって、お風呂に一緒に入ったって喜んでくれる。5歳以降、そんなチャンスは二度と来ない。特に女の子の場合は。」

…というものです。

サラリーマン時代は残業残業で、帰ったら子供は寝てるとか、休日もろくに子供と遊んであげられないという日が続いていましたので、この言葉は胸に響きました。


でも、正直長い間悩みました。「やろう!」と完全に決意が固まった時には会社を辞めてから3ヶ月経っていました。妻の理解と協力が得られたのが最終的な決め手ですね。「何かあっても私がバイトしてでも食べさせてあげるよ。」という妻の言葉は胸にズシンと来ました。絶対成功して妻を幸せにしてやると心に誓いましたね。


おかげさまでお客様に恵まれ、なんとか今日までやってきました。あと3ヶ月で起業してから1年ですが、ありがたい事になんとかあと3ヶ月は忙しそうですので1年の節目は迎えられそうです。

忙しすぎて、当初の目的である「子供との触れ合い」ができているかというと微妙なところですが、でも間違いなく世の中のお父さんよりは触れ合っていると思いますし、育児もちゃんとしてます。当然オムツも替えますし、子供の食事も作ります。世の中のママさん達の苦労もわかっているつもりです。こんな経験、普通では出来ないですから貴重な体験をさせてもらっていると思いますが、個人事業では社長件主夫なんて意外と多いのかな?


いずれにしても、今の僕の仕事に合わせてくれている子供と嫁に感謝です。
今はまだ一緒に寝る事もできないし、ONとOFFの使い分けもヘタクソですが、もう少し待ってね。





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