●SNSの形骸化
総務省が2005年9月末現在の、ブログおよびソーシャルネットワーキングサイト(SNS)登録者数の集計結果を発表しました。
今回の集計はブログを運営する企業33社と、SNSを運営する企業13社について、それぞれの登録者数を単純に合計して算出したものです。調査対象によっても変わりますし、登録はしたけれども利用していない登録者も居ると思いますので、一概にはなんとも言えませんが概ね予想通りの結果が出ているようです。
集計の結果は…ブログの登録者数が473万人!SNSの登録者数は399万人!でした。
今年5月には同じく総務省から「ブログ・SNSの現状分析及び将来予測」という資料が提示されています。それによると2005年3月末時点の国内ブログ利用者数は約335万人で、そのうちブログを月一程度で更新している人が約95万人、閲覧しているだけの人は約1651万人との事でした。国内SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)の参加者数は約111万人で、月一程度で利用している人は約80万人との事でした。
同上の資料によると2007年3月末には、ブログは上記の数字の2〜3倍になると予測されていますが、驚きはSNSです。なんと10倍になると予測されています。個人的にはそこまで賑わっているとも感じてなかったんですが、今回の集計結果を見る限りではほぼ予想通りに推移しているようです。
従来のSNSではここまで伸びなかったでしょう。個人的にもブログの方が伸びると予想してましたし…。でもSNSは発展する道を見つけました。それぞれで独自の分野を開拓し始めたんですね。
例えば技術系のコミュニティならmixi、学校同士のつながりを重視するならEchoo!…などです。生き残りをかけ、ユーザー層の切り分けを行ったんですね。他にも沢山のSNSがありますが、今の所うまい具合に棲み分けが出来ていると思います。
ブログもSNSもそうですが、基本的には先に多くの会員を獲得したサイトが勝ち組になれます。しかし分野を分けることによって、システムが同じでもその分野の先駆者になれるんですね。
ただ形骸化も心配されます。
基本的にmixiやGREE、キヌガサ等ほとんどのSNSは既に会員になっている人からの招待がないと参加できません。基本的には招待制のはずなのに、これだけ急激な登録者の伸びを見ると招待制という機能がうまく働いていないと思われます。これには質の低下が危惧されますね。
掲示板とかでも気軽に「招待しますよ」というコメントが見受けられますし、親しくなくても紹介する事例も後を絶たない様子。SNSでは登録しているお友達同士がネットワークを形成する事もできるのですが、全く面識のない方からもリンクの申請が山のように届きます。
つまりSNSの「お友達」という定義は既に崩壊しています。実際、ものすごい数の「お友達」のネットワークを築いている人もいますが、あれもほとんど知らない者どうしでしょう。つまりSNS自体が形骸化しているのです。
それからSNSの使い方もまだ確立されておりません。人によって色々な使い方をしています。例えば、趣味が同じ仲間づくり、異業種の交流、同じ地域に住む人たちの交流、ビジネスマッチング、仕事の受発注、ヘッドハンティング、出会い系サイト的な使い方…等々。
SNSには非常に幅広い活用方法があるので、決まった使い方を確立する必要はなく、個人個人が使いやすいように利用すればいいのですが、ただそれにはSNS加入者の質と量が重要です。
これからSNSがどう発展、進化していくか?今後が楽しみですね。僕は全然活用できてませんけど…。^_^; ありゃ、基本的に相当マメじゃないと続けられません…。
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