●時を忘れる
子どもの頃に戻ってみたいですか?と聞かれる事があります。戻りたいのか戻りたくないのかは難しいところなのですが、子どもの頃にしか経験できなかった事をもう一度経験してみたいとは思います。
それは何かというと…時間を忘れて熱中すると言う事。子どもの頃のあの何もかも忘れて夢中になるあの時間…いつの間にか時間が過ぎ、いつの間にか帰る時間になる。そして、その時の何とも言えない寂しく口惜しい感じ…日曜日のサザエさんと一緒ですね。今でこそありませんが、子どもの頃はサザエさんを見ると、あー、休みももう終わりかと寂しい気持ちになったもんです。
子どもの頃って学校が終わってから夜になるまでが長かったんですよね。でも、実際にはそんなに長い時間じゃなかったと思うんです。16:00に小学校が終わったとして、18:00か19:00には家に帰ってたと思いますから、せいぜい2〜3時間の話ですよね。それでも、遊んでいる時間がそれこそ永遠に続く時間のように思えたのは、きっと時間が濃縮されていたのだからだと思います。
非常に濃い時間、充実した時と言うのは、すごく長い時間に感じます。それでいて、楽しいものだからあっという間に過ぎてしまうようにも感じるものです。矛盾してますけどね。
遊んでいる時間は楽しいから時間を忘れてしまいます。それが永久に続く時間のようにも感じてしまうのでしょう。でも帰らなくてはいけない時間が来た時には現実に引き戻されます。いつの間にか今までの楽しかった時間が終わってしまう…終わりが見えた瞬間に時は短く感じてしまうのです。
「今日という1日」という記事でも書きましたが、これは人生も同じです。終わりを意識した途端に人生を短く感じてしまいます。でもね、それでも濃い時間を過ごす事が出来れば、終わりが来ても悔いは少ないのではないかと…全く無いとは言いませんけどね。今この時を、濃く生きていれば、少なくとも「今」に関しては長く時間を感じる事が出来るのではないでしょうか。
時を忘れるほど熱中する、濃く生きる…大人になったからこそ大事な部分なのだと思います。
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