●2つの湖
ビジネスを進めていく上、いや人生を生きていく上では「受け取る事」も「与える事」も大切です。これは表裏一体であり、両方ともが大切なものです。どちらかに偏ってもいけません。当然、どちらも無いなんて状態は避けなくてはいけません。
まぁ普通に生活していると、何かしら無意識に受け取っているものですけど、問題なのは与える事が出来ていない場合です。受け取ってばかりで与える事をしないと、いつしか歪が出てきます。
これに関して、先日「2つの湖」の話を聞きました。大変ためになる話ですので、皆さんにシュアさせて頂きます。
パレスチナにはヨルダン川の水が流れ込む、「ティベリアス湖(旧ガリラヤ湖)」と「死海」という2つの湖があります。ティベリアス湖は清らかな水を湛え、たくさんの魚が住み、木々が根を広げ、近くの平原では多数の家畜が育てられています。一方、死海は文字通りの死の海になっています。魚や木々の姿が無いばかりか、小鳥や人の気配もありません。旅人でさえ避けて通ります。
両方とも同じヨルダン川の水が流れ込む湖です。水自体に違いはありません。地形や気候にも大きな違いはありません。では一体この2つの湖の何が違うのでしょうか?…この答えは実に奥深いものだったのです。
ティベリアス湖は、ヨルダン川の流れを受け、その水を湛えてはいますが堰止めてはいません。つまり、流れ込む水が1滴あれば流れ出す水もまた1滴ある」状態なのです。しかし、死海はヨルダン川の流れを遮り堰止めています。「流れ込む水はあっても流れ出す水がない」状態なのです。
ティベリアス湖では「受け取る事」と「与える事」が同時に行われています。しかし、死海では「受け取る事」だけで「与える事」が行われていないんですね…。その結果が上記の違いとなって現れているのです。実に興味深い話ですね。
人間もこれと同じです。受け取る事ばかりで与える事をしなければ、いつか誰も近寄らなくなります。さながら「死海」のように、生きながら死人となってしまいます。ティベリアス湖のように1つ受け取ったら1つ与えるようにしていきたいものです。
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